カムロードキャンピングカーをエアサスにするに至るまで

(ハイエース200系も同じ構造)


①今から約15年ほど前に、念願のカムロードキャンピングカーを買いました。

乗り心地は、「これは人間の乗り物ではない!!」と思ったのが正直な感想です!

すぐさま販売店に相談したところ、高額ではあるがエアサスにするか?

それとも、

あまり期待はできないが、乗り心地は少しましになるランチョのオイルショックに交換するかとの提案があり、そこで、10万円ほどだし、ランチョのショックアブソーバーを取り付けることにしました。

とりつけた正直の感想は、ほんのちょっとましになっただけで、まだまだ人間の乗り物ではなかったのです。

しかし、コーナーリングだけは数段よくなったの言うまでもありません。

「もうこれで我慢するしかないな!!」と心に言い聞かせていたそんなある日、

トラックの運転手さんが、

「いいノン乗ってるやん!ベースは、ハイエースダイナのトラックやな!」と話しかけてきました。

「泊まるときはいいですが、乗り心地は最悪ですわ!」と話すと、

「そりゃ-しゃーないは、トラックやもん。ごっつい板バネがついとるしなー。これは何トン車や、車検証に見せてみー。

と、車検証を見るなり、「ほー、そうか!わかったわ!! 後ろの車重量が軽すぎるんやわ!」

「積載量に対して、後ろ車体が軽すぎるから、後ろが飛び跳ねるんや!

砂を100キロから150キロくらい積んでみ!ましになるはずやで!

トラックはな、荷物を積むようにごっつい板ばねがついとるねん!

1トン車は1トン荷物をのせたときに、ばねの力が殺されるから、そこで初めて乗り心地がよくなるねん。

わしらは、行きは荷物積んで乗り心地がいいけど、荷物下した帰りは、シャコタンの暴走族と同じやで。ボンボン車とびはねとるで!!」と説明してもらいました。

あとは、荷物を積むわけやないし、タイヤの空気を抜いてみるのもええかもね!

「ほんまはエアサスがええねんけどな!お金貯めて、エアサスつけ!」と、言って去っていきました。

すぐに、砂を買いに走り、120キロ積むと、乗り心地は断然よくなったのです。

砂は、20L のポリタンクに満タン詰めると40Kgになり、それを3つ積みました。

そしてタイヤの空気を、6.0キロ指定のところを3.5キロにしたら、だいぶ乗り心地が良くなりました。

そこで思ったのは、「ランチョ買わへんたらよかった。これやったら、最初から砂積んでおけば、4000円ですんだ!」と心に後悔が残ったのですが、

何事も経験、トラックをうまく乗りこす経験と、ありがたく思うことにしました。

その日より、エアサスのことをネットで調べる毎日が続きました。


②僕がキャンピングカーを買った理由は、釣りがこうじてです。

いつの日か釣りもエスカレートし、2馬力のエンジン付きのボートを購入し、キャンピングカーの屋根に積んで釣りに行くようになっていました。

ボートの部品など釣り具と合わすと200キロ近くなり、今度はキャンピングカーの後ろが尻下がりになり、
フロントが浮き、ハンドリングが悪くなり始めたのですが、

矛盾したもので、釣り具を積めば積むほど、乗り心地はましになるのです。

トラックの運転手さんが言っていた、砂の理論が働くのです。

しかし、尻下がりとハンドリングは何とかしないといけないとなり、モンローのエアーマックスをつけることにしました。

普段からエアサスの仕組みは勉強していたので、コンプレッサーやゲージなどの部品をそろえるのに問題はなかったのですが、

カムロードに合う、エアーマックスの品番がわからないのです。

製造元のモンローに問い合わせても、ショックの長さなど一切教えてくれません。

そこで、ネットでマックスエアーを販売している業者を探し、サイズを教えてもらったところ、運よく行けそうなサイズがあったので、購入することにしたのです。

ブッシュを削る加工は必要でしたが、ねじを外すだけで簡単に取り付けられました。

マックスエアーは、ショックアブソーバー型をしているんので、ノーマルのショックアブソーバーと交換するだけです。

ショックアブソーバーは、車体から外しても、車高は1mmも下がりません。

なぜか?

それは、車高を支えいるのは、コイルスプリングやリーフスプリングなので、スプリングを外さない限り、車高は下がらないのです。

だから、ねじをはずすだけで、素人の私にも簡単に交換できるのです。

コンプレッサーは車内の空きスペースに、エアゲージ&スイッチは運転席に取り付けました。

その結果、
尻下がりは解消し、ハンドリングはよくなりました。

乗り心地も少しよくなり、リアの横揺れが小さくなりました。

多分、エアーマックスをがリアスタビライザーの役目をしてくれるのでしょう。

エアーマックスは尻下がりを解消するにはこれで十分であることがわかりました。

が、バスのような乗り心地を求めるには、エアバックの必要性をつくづく感じました。

が、このモンローのエアーマックスで数年を過ごしました。


人とは不思議なもので、満足するどころか、もっと乗り心地をよくしたいという欲求がどんどんわいてくるのです。

カムロードを運転するたびに、エアバックのことばかり考えるようになるのです。

だから、エアバックをつける決心をしました。

が、誰にでも簡単にできる、エアーマックスの取り付けとはわけが違うのです。

エアバックをつけるには、問題があるのです。

1 本体に穴をあけないといけないこと、

2 ブラケットを自作しなければいけないこと、

3 取り付け作業にちょっと勇気がいること。

その3つです。

ありがたいことに、今はネットが普及しており、板バネの緩め方や、自作したエアバックの取り付けた写真が公開されており、中にはとりつけの方法まで公開されているのです。

あとは根性を出すだけです。

まずは、エアバックをネットで探したところ、近くにアメ車の改造を専門にしている業者があり、そこにエアーリフト社のエアバックが販売されていたので即購入しました。

そして、近くの鉄工所で鉄を切ってもらい、ブラケットを作成。

あとは、エアバックを本体に取り付けるだけです。

車体をジャッキアップし、エアバックのねじ穴をあけ、ブラケットを付け、ボルトオン。

「案ずるより、産むが易し」のことわざ通り、割と簡単にできました。

あとは、エアホースを差し込み、いざ試運転。

あれ!あれ!あれ!

乗り心地はましになったものの、なんかゴツゴツします。

エアサス特有のふわふわ感が全くないのです。

すぐさま、アメ車のお兄さんの所に相談に行きました。

お兄さんは、足回りを見るなり、一言いいました。

「板ばね抜かんかいな!」

「そんなことして大丈夫ですか?」と尋ねたら、

「もともと板ばね2枚付いてるやろ、そこにエアバック付けて空気入れたら、板バネが3枚か4枚分に化けるんわかるやろ!

「2足す1は 3になるやろ、そやから、1 引かんかいな!」

「乗り心地よくしたかったら、エア抜いた時にシャコタン状態になるようにせな、エアバックの効果発揮せえへんデ!!

板バネ1枚残してたら、大丈夫や!」

「おまけにこの車、足回りの構造変更届でてるやんけ!ラッキーやで、男やったらサッサと根性だしてやったらんかい!!」

「ハイ、わかりました。」

家に帰り、すぐに板バネを1枚抜くと、夢のような乗り心地に変身したのは言うまでもありません。

ひとまずこの状態で満足し、数年を過ごしました。


④その後、フロントのエアサスをつけたい願望が始まったのです。

現実には、日本のキャンピングカー業者が、モンローのマックスエアーを改造して、前後セット販売をしているので可能なことです。

しかし、カムロードに合う、エアーマックスの品番が全くわからないのです。

製造元のモンローに問い合わせても、ショックの長さなど一切教えてくれません。

そこで、以前お世話になった、アメ車のお兄さんを相談し、行けそうなサイズを探してもらい、サイズが合うまで買い続けることにしました。

しかし、その品番が日本にはないので、アメリカから輸入してもらうことになりました。

そして、念願のエアーマックスが届きましたが、なかなか寸法が合いません。

根気よく買い続け、やっと寸法が合うものを見つけました。

サイズが合うまでに3本のマックスエアーを無駄買いしてしまいました。


早速、とりつけたのですが、ここで問題が起きたのです。

エアーマックスのホースが、フロントのサスペンションのアームにあってしまい、走行中にホースが切れてしまうのです。

一瞬目の前が真っ白になったのですが、切れることは買う前から知っており、解決策も知っていました。

どうするのかというと、ショックの下側のループマウントを切り、90度首を振って溶接しなおすのです。

するとホースがアームに当たらなくなるのです。

これで、ホースは切れません。

すぐさま、アメ車のおに―さんに溶接してもらい、問題をクリアーいたしました。

(フロントのマックスエアーの価格が、リアーに比べて高いのは、溶接代が含まれているからなのです。)


④そこで、もう一つ問題が発生しました。

乗り心地は断然よくなったのですが、エアサス特有のふわふわが凄すぎて、後ろ座席に乗っているものが、乗り物酔いを起こし始めたのです。

乗り物酔いした原因は簡単なことにでした。

フロントのエアサスを増設した時、リアーにもともとつけてあった(空気を入れずに使用していた)モンローのマックスエアーにホースを新設し、エアーサスとして復活さしたのが原因でした。

モンローのエアーマックスは、エアーを入れるとエアサスになりますが、エアーを入れなかったら普通のショックアブソーバーになるのです。

つまり、リアーのマックスエアーを復活さしたことで、フロントにエアサス2本、リアーにエアサス2本と2個のエアバックで、合計6本のエアサスになり、2本のショックアブソーバーがなくなったことにより、衝撃が吸収できなくなり、いつまでもフワフワ揺れたため、乗り物酔いを起こしたのです。

解決方法は、リアーのマックスエアーの空気を抜いて、ショックアブソーバーとして使用したら、振れが吸収され酔わなくなりました。

その後、もともとつけていたランチョのショックアブソーバーにもどしたら、数段乗り心地が良くなったのは言うまでもありません。

エアサスは、英語で言うとエアーサスペンションのことで、日本語で言うと「空気ばね」です。金属でできている板バネやコイルスプリングと同じ役目をします。

ばねは、いつまでもはね続けます。その衝撃を吸収するのが、ショックアブソーバーです。

この時、サスペンションとショックアブソーバーの違いを身をもって体感いたしました。

僕のこの体験が、皆様のエアサス自作にお役に立てれば、うれしい限りです。

特に、フロント用のエアサスを見つけるのに、かなりの日数と投資と溶接改造をしております。

皆様には、簡単に付けられるように設定しておりますので、いらぬ損はさせないようにしておりますので安心ください。

ほか、カムロードキャンピングカーには、もとよりリアースタビライザーがついていません。

横揺れを止めるには、リアースタビライザーが必要です。

今、メーカーで製造を検討しているところです。


あなたはどこまでやりますか?